機械製造会社「大川原化工機」(横浜市)を巡る冤罪事件で、外為法違反容疑で捜査した警視庁は7日、行き過ぎた捜査方針を軌道修正すべき立場の公安部長ら幹部を含め、部の捜査指揮系統の機能不全により違法な逮捕につながったとする検証結果を公表した。警視庁は、当時の公安部長ら退職者を含む関係者19人の処分を明らかにした。
警視庁トップの迫田裕治警視総監は記者会見し、逮捕された社長ら3人に「多大なご心労、ご負担をおかけしたことにつきまして、改めて深くおわびを申し上げる」と謝罪した。警視総監が個別事案について会見で謝罪するのは異例。
19人のうち処分できない退職者についても責任を明確にし、処分相当とした。当時の部長で、いずれも退職している警察庁出身の新美恭生氏(62)は口頭厳重注意相当、後任の近藤知尚氏(58)は警察庁長官訓戒相当。
警視庁の検証によると、捜査した外事1課で経験豊富な現場指揮官が摘発を第一に考え、捜査上の課題など、消極的な要素に注意を払わなかった。部下は方針に異を唱えにくい状況だった。