首相、大戦検証を15日に示さず

石破茂首相

 石破茂首相は先の大戦の検証を巡り、戦後80年となる今月15日の「終戦の日」に自身の見解を示さない方向で最終調整に入った。首相は、閣議決定する「首相談話」の策定は既に見送ったものの見解表明には意欲的で、別の機会に発信する可能性は残る。首相は「敗戦後80年」との言い回しを使っており、日本が降伏文書に調印した9月2日に表明するとの見方が浮上している。複数の政府関係者が1日、明らかにした。

 関係者によると、政府は見解作成の参考とする有識者会議の人選に着手していたが、日米関税交渉や7月の参院選など政治日程が立て込み、設置を見送った。参院選の大敗を受けた自民党内の「石破降ろし」や、日米関税合意の履行に向けた対応に追われている。

 終戦の日は、東京都内で開く政府主催の全国戦没者追悼式で式辞を述べるにとどまる見通しだ。

 首相は3月に、激戦地となった硫黄島を訪れた他、参院選の街頭演説では各地の空襲被害に触れ、大戦の教訓を学ぶ必要性を訴えた。戦後80年の検証に対する思い入れは強い。

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