富士通は1日、複雑な計算を高速でこなす量子コンピューターの開発目標を発表した。2030年度までに、性能の目安となる情報の基本単位「量子ビット」の数で1万を超す実機の完成を目指す。実現すれば世界最大規模になるとみられる。
現段階の量子コンピューターには、計算過程で一定の誤りが生じるという弱点がある。対策として、複数のビットを連携させて誤りを検知・訂正するソフトを大阪大と共同開発。計算の精度を高め、新機能を持った材料の開発など実用的な利用を可能にする。
富士通は4月、理化学研究所と開発した256量子ビットの量子コンピューターを公開。26年度までに千量子ビットの実現を目指すと表明した。