【ロンドン共同】英国のスターマー首相は29日、イスラエルがガザでの停戦に合意し、深刻化する飢餓などへの対策を取らなければ、9月の国連総会までにパレスチナを国家として承認する意向を表明した。戦闘開始以来のガザ側死者が6万人を超え、人道状況が悪化の一途をたどる中、条件付きの承認を示すことでイスラエルへの圧力を強めた。
G7ではフランスが9月の国連総会でパレスチナを国家承認すると24日に表明した。英国が出した条件はネタニヤフ政権にとって即座には受け入れがたい内容とみられる。今後、他のG7各国の動向が注目される。地中海の島国マルタは29日、9月に国家承認すると表明した。
スターマー氏は29日に記者会見し「ガザの悲惨な状況を終わらせる」ことが必要だと強調した。パレスチナとの2国家共存による恒久和平実現を求め、条件としてハマスとの停戦合意や国連の人道支援再開、ヨルダン川西岸を併合しないことを提示した。
イスラエルのネタニヤフ首相はXでスターマー氏に「ハマスの極悪非道なテロ行為に褒美を与えている」と反発した。