【ワシントン共同】トランプ米政権が実業家マスク氏が率いる企業との距離感に苦心している。トランプ大統領との関係悪化を受けて政府事業の「マスク依存」からの脱却を試みているもようだが、人工知能(AI)や宇宙開発分野で重要な役割を担う関連企業を切り離すのは容易ではない。
「大統領はマスク氏のAI企業と政府機関の契約を支持しているのか」。23日の記者会見で質問されたレビット大統領報道官は「そうは思わない」と否定した。だが、トランプ氏は翌24日、交流サイト(SNS)で「マスク氏を含む全ての企業の成功を望んでいる」と融和的な姿勢を見せた。
ロイター通信によると、国防総省は米IT大手アマゾン・コムの関連企業などに次世代ミサイル防衛構想「ゴールデンドーム」への参画を打診した。1750億ドル(約25兆8千億円)を投じる同構想では、主要部分をマスク氏の宇宙企業スペースXが担うとみられていた。
一方、米紙ウォールストリート・ジャーナルは、政権がスペースXとの見直しを始めたものの、打ち切りは不可能と判断したと報じた。