原子力規制委員会は26日、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の上空にドローンとみられる三つの光る物体が侵入したと発表した。九電から、運転に影響を及ぼす恐れがある「核物質防護情報」の通報を受けた。原発への飛来物侵入は極めて異例。設備に異常はなく、放射線量の上昇もなかった。光る物体は飛び去り、操縦者や飛行経路、意図などは不明。県警が機体の捜索や情報収集を進めている。
安全性に関わるため、原発と周辺地域の上空で飛行させることは、法律で原則として禁止されている。核物質防護情報は、原子力施設への侵入などがあった場合に通報され、規制委は「非常に珍しい」としている。
九電によると、26日午後9時ごろ、警備員が原発の正門付近を飛ぶ物体を見つけ、その後、九電側から敷地内に待機している県警の部隊に連絡した。原発周辺の同県唐津市は住民避難などの対応は取らないとした。
玄海1、2号機は廃炉作業中で、3、4号機は営業運転中。4号機は27日、侵入による異常は確認されなかったとして、予定通り定期検査に入った。