日米が合意した関税交渉で、赤沢亮正経済再生担当相と、ラトニック米商務長官が6月中旬、関税引き下げと引き換えに、目玉として米国への巨額投資に応じる形で決着を図ると一致していたことが26日分かった。複数の関係者が明らかにした。約1カ月後の合意まではラトニック氏らを通じトランプ大統領を説得する戦略を練ったが、トランプ氏は強硬だった。交渉最終盤では、米国産のコメ輸入拡大案も提示し、妥結に導いた。
4月中旬から約3カ月に及んだ交渉の舞台裏が徐々に明らかになってきた。日本は「トランプ氏と直接深くやりとりできるのはラトニック氏だけ。彼らは30年来の親友だ」(政府関係者)とラトニック氏に照準を定めた。赤沢氏は対面協議だけでなく、何十回と電話で話し合って信頼関係を築いた。
ラトニック氏が中国を念頭に経済安全保障を重視しているとみた日本側は、米国内のサプライチェーン(供給網)の強靱化に貢献する姿勢を強調し閣僚間で折り合った。
ただ、トランプ氏は強硬姿勢を崩さなかった。