富山市で1945年7月に米軍が投下した「模擬原爆」の犠牲者を追悼する式典が26日、市内の住宅街で開かれた。遺族ら10人ほどが参列し、投下時刻に近い午前7時40分ごろ、慰霊碑の前で手を合わせて「惨禍の記憶を受け継ぐ」と誓った。
模擬原爆は原爆投下の訓練として、太平洋戦争末期、18都府県に投下された。富山市には7月20日と26日に計4発が着弾し、約60人が死亡した。両親と妹を亡くした故鈴木善蔵さんが、88年に退職金で慰霊碑を建立。中には爆弾のかけらと防空頭巾が納められている。息子の善作さん(74)が思いを継ぎ、毎年法要を執り行っている。