2016年に相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が殺害され、26人が重軽傷を負った事件から9年となった26日、園で追悼式が開かれた。永井清光園長(55)は入所者の島田昌尚さん(55)と式壇の前に立ち「皆さんはこれからも、いつまでも、かけがえのない存在です」としのんだ。献花台には花を供えて祈る人々の姿があり「事件を忘れない」と語った。
式には遺族や神奈川県の黒岩祐治知事らが出席。式壇には入所者が描いた絵や折り鶴などが飾られた。
厳しい暑さの中、一般献花には多くの人が訪れた。昨年に続き、県外から訪れたパートの前田啓さん(32)は「許されない事件で忘れないようにしたい。誰かを排除する考え方は幸せにはつながらない」と花を手向けた。特別支援学校に勤める兵庫県加古川市の三好淳一さん(50)は「奪われる必要のなかった命。その尊さを子どもたちに伝えていきたい」と語った。
神奈川県は21年、園の居住棟などを再建し、現在は56人が入所。事件を風化させないため、モニュメントを設置した。