アスベスト除去事故相次ぐ

3月、東京都千代田区のビル解体現場近くに集まる消防隊員ら。作業員16人がCO中毒となり病院に搬送された

 建物解体に伴うアスベスト(石綿)除去作業中に、粉じん飛散防止のため密閉された空間での事故が相次いでいる。発電機使用で一酸化炭素(CO)中毒になるケースもあり、専門家は「対策が十分ではない現場もある」と指摘。飛散性が高い石綿建材を含む建物の解体は2028年度ごろにピークを迎えるといい、さらなる事故増加が懸念されている。

 25年3月、東京都千代田区のビル解体現場で、作業員16人がCO中毒となり病院に搬送された。5月には堺市の工事現場で3人が倒れ、うち1人は一時、意識不明となった。いずれも石綿除去中で、密閉空間で発電機を使用していたとみられる。

 4月に起きた大阪市のビル解体現場の事故では、女性作業員が死亡。石綿をはがすために密閉空間で有機溶剤を使用していたとみられ、府警が業務上過失致死容疑も視野に捜査を進める。

 日本石綿対策技術協会によると、粉じんを吸い込むとじん肺や肺がんになる恐れがあり、除去には飛散防止措置が義務化されている。人体への危険性に加え、飛散防止のために閉ざされた空間での作業が求められ、難易度の高い工事とされる。

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