「1票の格差」を是正しないまま実施された20日の参院選は憲法違反だとして、弁護士グループが22日、選挙無効を求めて全国14の高裁・高裁支部に一斉提訴した。参院選当日の有権者数に基づく最大格差は3・13倍で、前回2022年参院選の3・03倍からやや拡大。最高裁は前回選挙の判決で格差是正を「喫緊の課題」と指摘しており、司法判断が注目される。
升永英俊弁護士ら二つのグループによる一斉提訴で、人口比例に基づく定数配分を求める憲法に反し、投票価値に著しい不平等が生じているとして、選挙のやり直しを要求している。
総務省が公表した投開票日当日の有権者数を基に共同通信社が試算した結果、議員1人当たりの有権者数が最も多いのは神奈川県で、最も少ないのは福井県だった。
参院選の1票の格差を巡っては、最高裁が最大格差5・00倍だった10年と、4・77倍だった13年を「違憲状態」と判断。22年の3・03倍については「合憲」としたが、判決末尾で「広く国民の理解も得られる立法的措置が求められる」と注文を付けた。