全体の勝敗の鍵を握る改選数1の32選挙区は、自民党が負け越した。28勝と圧勝した2022年を大きく下回る14勝18敗だった。野党系候補は、保守が強いとされる地盤でも勢いを見せた。
自民は10年以降、5回連続で20議席超を得ていたが、物価高対応などで有権者の支持が広がらなかった。優位に戦いを進めたのは、石破茂首相の地元「鳥取・島根」や福井、山口などにとどまった。福島、栃木や滋賀、佐賀などで競り勝った。
立憲民主党は青森と三重、宮崎で新人が議席を獲得し、岩手、宮城、新潟、長野で再選された。大分では、23年の参院補欠選挙で341票の僅差で惜敗した元職が雪辱を果たした。
国民民主党は玉木雄一郎代表の地元・香川に加え、富山と山梨で自民を破った。秋田、山形、「徳島・高知」と愛媛、鹿児島、沖縄は野党系無所属が勝利した。
保守分裂選となった和歌山は、無所属新人が制した。
今回の参院選は立民、日本維新の会、共産、国民民主の4野党が候補者調整を進め、17選挙区で自民との事実上の一騎打ちに持ち込んだ。