石破茂首相は、カナダで15~17日に開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、北朝鮮による暗号資産(仮想通貨)窃取を含む悪意あるサイバー活動を取り上げ、協力して対処する必要性を訴える方針を固めた。サイバー攻撃で不正に得た仮想通貨を、大量破壊兵器の開発原資に充てているとされる北朝鮮に対し、多国間で監視を強め資金源を断つ狙いがある。複数の政府関係者が11日、明らかにした。
北朝鮮の仮想通貨窃取をG7サミットで提起するのは初めてとみられる。首相はインド太平洋情勢などを協議する会合で対策の重要性を強調、結束を呼びかける考えだ。
仮想通貨の現金化には、中国の関与を指摘する声がある。日本や米国では、北朝鮮人労働者が身分を偽装してIT関連の仕事を請け負い、報酬を仮想通貨で北朝鮮本国に送る問題が表面化した。
北朝鮮は、ウクライナを侵攻するロシアと外交、軍事分野で関係を強めている。日本としては、ウクライナを支援する欧州各国とも連携を一層深めたい考えだ。