古里を離れて何年たっても、地名一つで話が弾む。先日、那覇市で開かれた沖縄大分県人会の例会を訪ね、そんなつながりの温かさに触れた。
転勤や結婚を機に沖縄に移り住んだ大分出身者、大分にゆかりのある人たちが集まる。11月で発足40周年。毎月第3火曜日という集まりを、40年にわたって続けてきた。
訪問した今月の例会でも、幅広い世代の参加者らが近況を報告し合った。別府の鶴見岳を麓から登る「一気登山」に挑戦した話など、それぞれの記憶にある大分が語られる。同じ古里でも、思い出の場所や出来事は一人一人違う。聞く側にとっても、懐かしい土地の新たな一面に出合う時間なのだろう。
交流が思わぬところで仕事につながることもあるという。懐かしさを分かち合うだけでなく、今の暮らしにも縁が広がっている。
沖縄には、古里とのつながりを感じさせる場所がもう一つある。糸満市米須の「大分の塔」。県関係の沖縄戦戦没者を祭る慰霊塔だ。沖縄では、こどもの日に合わせ、各都道府県の慰霊塔・碑にこいのぼりを掲げる取り組みが続く。戦没者をしのび、子どもたちの健やかな成長と平和を願う。
古里を思う気持ちは、昔話の中にも、異郷の空を泳ぐこいのぼりにも宿る。そして毎月第3火曜日には、人と人をつなぐ。40年を重ねた会は、沖縄に暮らす人たちが、それぞれの大分を持ち寄れる場所になっている。
(衞藤知愛)