【佐伯】佐伯市の直川中1年生が直川地域に伝わる杖(つえ)踊り(市指定無形民俗文化財)の練習に励んでいる。「伝統の踊りを地元の子供たちが引き継いでくれる」と地域住民も喜んでいる。
直川の杖踊りは同所上直見の富尾、肘切の両神社で2年に1度、交互に開かれる祭典で奉納されてきた。後継者不足から2018年に神社祭典保存会が解散し、祭典も休止を余儀なくされていた。
地域の大切な文化を守ろうと今年1月、直川出身の田中良生市直川振興局長が「今なら踊りを指導できる人がいる」と、同校に踊りの継承を相談。本年度から地域学習として同校1年生(8人)が取り組むことが決まった。
踊り方や役割が異なる6地区の中から、継承に前向きな思いが強かった竹ノ下地区の踊りを引き継ぐことに。指導は同地区で育った岩男賢治さん(64)、泥谷正太さん(60)が担い、9月から生徒たちに伝統の踊りを伝えている。今月22日の練習では岩男さん、泥谷さんが一人一人の踊りを確認しながら、杖の回し方、姿勢についてアドバイス。「本番は声をしっかり出して、自信を持って頑張って」とエールを送った。
31日の同校文化祭で保護者らに成果を発表し、11月23日の直川地域の文化祭でも住民らに披露することになっている。
佐藤菜々桜さん(13)は「簡単そうに見えたが、腰の高さや杖の回し方が難しい。それでも地域の伝統を受け継ぐことはうれしく、楽しい。本番は細かいところに気をつけて踊りたい」と抱負。岩男さん、泥谷さんは「地区ごとに踊りが違い、全ての踊りを引き継ぐことは難しいが、一つでも継承してもらえるのは助かる」と喜んだ。