「こんなところに大分が!?」―。東京支社に勤務する記者2人が、都内や全国の出張先で大分との関わりのあるスポットを探し歩く企画です。
× × ×
「北海道の名物と言えば?」という問いに、牛乳やバターと答える人は多いだろう。その北海道の酪農の礎を築いた一人に中津市生まれの宇都宮仙太郎氏(1866―1940)がいる。大分トリニータのアウェー戦があった9月中旬、札幌市で「日本酪農の父」とも呼ばれた偉人ゆかりの地を訪ねてみた。
宿泊先だった繁華街「すすきの」から東方面に歩いて約30分。北海道らしく整然とした区画に小さい事業所や住宅が建ち並ぶエリアに、目的の掲示板はあった。「日本近代酪農発祥の地―宇都宮牧場跡」(札幌市白石区)。宇都宮氏が本格的な牧場を運営し、近代的な酪農を開花させた場所だ。
宇都宮氏は明治時代に単身で北海道に渡り、米国で近代的な酪農経営を学んだ。設立した同業者組合は後の雪印乳業などへと発展を遂げ、全国から慕ってくる後継者の育成にも励んだとされる。牧場は約20ヘクタールの土地に、サイロを備えた米国式の牛舎を建て、最も多いときで83頭を飼育したという。
掲示板は地域の児童会館の敷地に建てられており、近くには公園などもあった。大きさは横約50センチ、縦約25センチでかなり小さめ。周りには目を見張る展示物がある訳ではないが、ふるさとから遠く離れた地で見る「大分県生まれ」の文字に感動を覚えた。
札幌には他にも、宇都宮氏について学べる施設として「雪印メグミルク 酪農と乳の歴史館」(札幌市東区苗穂町)などがある。今回は時間の関係で行くことができなかったが、今後に機会があれば訪れてみたい。
大分と北海道の酪農の関係を実感できたからであろうか。取材後に道内で食べたソフトクリームは、とてもおいしく感じられた。
(萱嶋悠)