【豊後高田・国東】日本の歴史文化に詳しいイタリアの研究者エドアルド・ジェルリーニさん(46)が国東半島の神社仏閣など文化財を視察するため、豊後高田、国東両市を訪問した。六郷満山文化の世界遺産登録を目指す地元団体に対し、「魅力的な地域。体系的な価値の再発見や、国際的な知名度アップに取り組んでほしい」と期待した。
ジェルリーニさんはベネチア・カフォスカリ大アジア・北アフリカ学科准教授で、日本古典文学が専門。早稲田大や関西大に研究員として在籍した経歴がある。現在はイタリアのフィレンツェ在住、ベネチア勤務と、どちらも世界遺産の都市を拠点にしている。
訪問は、六郷満山日本遺産推進協議会(事務局・豊後高田市教委)との交流で8月末に実現した。
協議会事務局の松本卓也さんと、豊橋創造大(愛知県)の赤松秀亮准教授(元別府大准教授)の案内で、ジェルリーニさんは約20カ所を視察。世界遺産登録数世界一のイタリアと、日本両方の文化財を研究する知見を生かしたアドバイスをした。
初めて訪れた国東半島の印象について、神仏習合の慣習や中世時代から残る景観、文化財が1300年間、途切れることなく住民の生活の中に息づいていることが世界的にも珍しいと指摘。
「世界遺産になる可能性がある魅力的な地域。有形と無形の文化、人間活動と自然の関連性を体系的に調べて価値を再発見することや、世界中の研究者と交流し、知名度を上げていくことが重要になる」と述べた。
協議会は昨年、イタリア・ミラノで修正鬼会(しゅじょうおにえ)の公演を実施。欧米の観光客に文化体験を提供する旅行プラン作成などに力を入れている。
松本さんと赤松さんは「国や研究機関の垣根を越えて多くの人を巻き込んでいく。10年単位の長い取り組みになるが、まずは国内で推薦候補になるように努力したい」と話した。