全国高校野球選手権、大分商3回戦進出ならず 終盤突き放され英明に1―6

【2回戦・大分商-英明】9回裏大分商無死二塁、伊東が中前に適時打を放ち、1点を返す=甲子園球場

 第108回全国高校野球選手権第9日は13日、甲子園球場で2回戦4試合があった。第4試合で大分商が英明(香川)とのナイターに臨み、1―6で敗れて3回戦進出はならなかった。
 前日の雨天で順延となった第1試合は、五回に挙げた1点を守り抜いた健大高崎(群馬)が東海大甲府(山梨)に競り勝った。第2試合は有明(熊本)が3―2で長崎日大を下して九州勢対決を制し、被災者に勇気を届けた。第3試合は東北勢対決となり、優位に進めた東日本国際大昌平(福島)が粘る青森山田を振り切った。

 ▽2回戦
英明(香川)
001001004|6
000000001|1
大分商

 【評】大分商は英明に終盤突き放されて3回戦進出を逃した。
 大分商の先発米田は4回を自責点0でしのぎ、試合をつくった。ただ、五回から登板した平田は制球に苦しみ、失点を重ねた。
 打線は序盤の好機を生かし切れなかった。6点を追う九回、杉山と伊東の連打でようやく1点を返したが、ここまでだった。

■最後まで諦めず、9回に意地の1点
 甲子園の夜空に2度目の校歌を響かせることはできなかった。大分商は狙い通り接戦に持ち込んだが最終盤で力尽きた。それでも最後まで懸命のプレーでスタンドを沸かせ、那賀誠監督は「彼らが生み出した一生の宝物」とたたえた。
 序盤から相手先発右腕を打ちあぐねた。初回に平田玲翔主将(3年)が三塁線を破る二塁打で出塁。後続が打ち取られ好機を逃すと、その後は5回までわずか2安打。六回から相手エース左腕が登板すると、さらに快音は響かなくなった。
 頼みの平田も本調子からは遠かった。1点を追う五回から救援し、六回に突如、制球が乱れた。「もう1点もやれないという焦りで力み、自分の投球ができなかった」と平田。持ち前の球威でなんとか抑えていたが、九回に相手打線につかまり、4点を失った。
 打線は最後に意地を見せた。九回、唯一の2年生杉山巧真が「まだ終わらせない」と先頭内野安打で出塁。直後に伊東大雅(同)がしぶとく中前に運んで1点を返した。泥くさく、諦めずに食らいつく姿に聖地は大歓声に包まれたが、反撃もここまでだった。
 今夏の出場49チーム中、公立は9校。うち初戦突破は大分商を含めて2校だった。私学全盛の現代で、「大分っ子」のみの公立校が挙げた「夏の1勝」の意義は大きい。
 投打二刀流で大舞台を戦い抜いた平田は「自分が最後に試合を壊したが、ずっと仲間が励ましてくれた。全力で腕を振り、全てを出し切った」。かつて“独り善がり”だったエースは大きく成長し、仲間への感謝で高校野球を締めくくった。

■先発の米田4回1失点、役割を果たす
 一世一代の大舞台で悔いは残さなかった。大分大会から全試合で先発を担ってきた頼れる右腕が4回1失点(自責0)と粘投。「本当に最高の仲間に恵まれ、ここまで来ることができた。財産です」と目を潤ませた。
 「三回までなんとか持ちこたえてほしい」。そんな指揮官の期待を上回る働きだった。初戦で甘く入って痛打されたカーブを封印し、生命線の低めの直球とコースを外すスライダーで序盤からアウトを重ねた。
 三回、味方の失策で先頭出塁を許し、1死後に右翼線に運ばれて先制された。それでも「落ち着こう。自分の役割は変わらない」と後続を打ち取った。
 四回は初めて三者凡退に切り「もともと自分は普通の投手。平田がいなかったら、ここまで絶対に成長できていなかった」と認めるエースにバトンを渡した。
 最後の夏が終わった。「また絶対にここに戻ってきて、最高の舞台を楽しんでほしい」。夢の続きは後輩が必ずかなえてくれるはずだ。

 大分商・那賀誠監督の話 もう完敗です。相手の力がはるかに上回っていた。うちの選手もミスはあったけど、精いっぱいやったので褒めてあげたい。
 大分商・東修平部長の話 よく頑張った。いろんな方に声援を送ってもらい感無量。互いに意見を言い合う姿など、後輩たちに多くの大切なことを残した3年生だった。

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