【九重】九重町田野の観光農園「筌(うけ)の口(くち)ブルーベリー園」が、来園者の増加を目指している。経営者の高齢化で開店休業状態になっていた中、元別府市経済産業部長の松永徹さん(68)が園を承継。「ここのえ町づくり公社」などと連携して対策を進める。「町の農業と観光振興に貢献し、園を次世代につなぎたい」と意気込んでいる。
ブルーベリー園は2009年、創業者が稲作からの転作で開いた。標高800メートルの冷涼な気候と、九重“夢”大吊橋から車で1分の立地を生かし、1ヘクタールの敷地で十数種類・約700本を栽培。摘み取り体験などを受け入れていたが、高齢になり、近年は木の維持で精いっぱいだったという。
松永さんは別府市職員時代、主に観光畑を歩いた。食のイベントを開いた際、農業の担い手不足に関心を深めた。「いずれは就農し、次世代への橋渡しをしたい」と思うようになった。
定年退職後、知り合いの九重町職員の勧めで農業短期研修を受講。別府の自宅から通いながらトマト農家で働き、地元生産者と交流する中でブルーベリー園の後継者探しを知り、手を挙げた。
創業者からノウハウを教わり、24年に園を引き継いだ。ただ、1人でできる作業には限界がある。「自分で摘み取れるのは1割ほど。来園者を増やす手だてや食品加工などに手が回らず、頭を抱えた」
観光農園として軌道に乗せるため、同公社の前川桂子事務局次長や、町観光協会の軸丸幸義会長に相談した。
前川さんは、公社で取り組む台湾からの観光客誘致と絡めたアイデアを提案。「台湾語を含めた農園のチラシを作り、現地の商談会で旅行会社に配った。福岡・大分・熊本は台湾人観光客の『ゴールデンルート』。果実の魅力で九重を売り込みたい」と思い描く。
軸丸さんは、協会に加盟する宿泊施設や飲食店に果実の活用を呼びかけている。
松永さんは「自然豊かで静かな環境や、気にかけてくれる住民のつながりが九重町の魅力。心強いサポートを受けながら利用者を増やしていきたい」と話している。
<メモ>
入園料(食べ放題)は小学生以上千円。持ち帰りは100グラム400円。8月下旬までのシーズン中は無休(午前10時~午後4時)。問い合わせは松永さん(090-5024-6203)。