シニア世代の健康維持や交流促進にゲームが一役―。立命館アジア太平洋大(APU)の学生団体は、ゲームを楽しむことが高齢者の外出を促すきっかけになればと、地域で一緒に触れ合うイベントを開いている。
発案したのは学生団体「Silver Link Gaming(シルバーリンクゲーミング)」の野津麗王(のづれお)代表(20)=アジア太平洋学部3回生=ら。身近な存在のゲームに、運動不足解消や考えたり話したりすることで認知症予防に効果的というデータがあることを知り、所属するeスポーツ部内にプロジェクトを立ち上げた。今年から定期的に開催する。
6月下旬、別府市の内竈コミュニティーセンターで開かれたゲーム体験会に、雨にもかかわらず地元老人会のメンバー9人が集まった。
パソコンでできるトランプゲーム「ソリティア」。常連の男性が周りの人に操作方法やルールを解説。1台を数人が囲み、話し合いながら進めていた。レースゲームの「マリオカート」では、学生にコントローラーの使い方を教わりながら対戦に熱中する。
音楽に合わせてプレーする「太鼓の達人」は1番人気だ。画面に集中して太鼓をたたき、クリアすると歓声と拍手が湧き起こる。「時間がどんどんたつわ」「楽しい。子どもがやめられんはずや」とあちらこちらで笑い声が絶えない。
参加した佐藤孝子さん(77)は「主人を亡くし寂しくしていたところ、知り合いが誘ってくれた。これまで地域の寄り合いにもあまり顔を出さなかったけれど、近所の人たちと新しいことに挑戦できる楽しみな時間になっている」とほほ笑んだ。
会を訪れていた住民自治組織「北部ひとまもり・まちまもり協議会」の永田真一さん(57)は「自治会を抜ける人や入らない人が増え、地域のつながりが薄くなっている。高齢者が家にこもってしまわないよう試行錯誤している中、学生が地域に飛び込んで活動してくれるのはありがたい」とする。
野津さんは、初回は使い方を手取り足取り教えたといい、「回を重ねるごとに参加者同士で教え合い、楽しんでくれている。ゲームが交流のいいツールになっている」と手応え。また「以前から大学と地域との交わりが少ないと感じていた。世代を超えた新たなつながりを生み出せたら」と期待も口にする。