亡き娘との約束…大分市にフリースクール開校 首藤さん「伸び伸びと学べる場を」

シュタイナー教育や英語を取り入れたフリースクールを主宰するソーンダーズ首藤佳代さん。手にする写真は英子さん=大分市

 【大分】大分市田室町のソーンダーズ首藤佳代さん(49)がフリースクール「サニーコーナー陽だまり」を自宅で開いた。開校は昨秋18歳で病気のため亡くなった長女英子(はなこ)さんとの約束。寂しさは癒えなくても「心の中の娘と一緒に、学校に行けずにいる子が視野を広げられる温かい場所をつくりたい」と前を向く。
 同市出身の佳代さんは津田塾大に進学後、米国に留学。英国の大学院に進み、製薬会社などで働いた。現地の男性と結婚し、日本の女子高生に憧れていた英子さんの希望で2023年に帰郷するまで、20年以上を欧州で過ごした。
 帰郷後は由布市のフリースクールなどで働き、現在は大分市内の中学校で英語の非常勤講師を務める。英国の小中学校でも教員経験があり、発達段階や個性に応じ、絵や工作、音楽、裁縫、自然体験など五感を使って学ぶシュタイナー教育にも精通している。
 英子さんは詰め込み型の授業が合わず、小学3、4年時にはホームスクールとして佳代さんが勉強を教えたことがある。
 市内の高校に入学後、体調を崩した英子さんは「繊細な子も伸び伸びと学べる居心地よい場所を」と母と2人で運営するフリースクールの構想を膨らませていた。 
 スポーツや料理が好きでいつも笑顔だったという英子さん。療養を続けたが昨年9月30日、永眠した。一心同体の親友のような愛娘を亡くし、スクールの開校も諦めかけた。だが、懸命に生きた英子さんを思い、縁のあった子どもたちに愛情と熱意を注ごうと開校を決めた。
 フリースクールは4月にスタート。現在は市内外の小学3、5年生3人が通い、シュタイナー教育や英語教育を取り入れながら楽しく学んでいる。
 佳代さんは「人と違うと自信をなくしている子に世界の広さを知ってもらいたい。英ちゃんが見守ってくれているような安心感を力に、一歩を踏み出す人たちのお手伝いができたら」と話した。

<メモ>
 フリースクールは小中学生が対象で定員は10人程度。放課後クラブや夏休みのサマースクールも実施する。子どもから大人まで少人数グループやマンツーマン、オンラインで学ぶ英語教室も開いている。問い合わせはサニーコーナー陽だまり(090-8132-7630)。

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