大分、愛媛両県を結ぶ「豊予海峡ルート構想」の推進に向けて、大分県が新たな研究会を創設し、増田寛也元総務相(74)がトップに就く見通しであることが4日、関係者への取材で分かった。構想を国家プロジェクトに位置付けて民間投資を呼び込みたい県側は、増田氏の発信力や国への影響力をばねに具体化を進めたい考え。近く愛媛県に研究会への協力を求める。
増田氏は旧建設省(現国土交通省)の官僚から、岩手県知事、総務相などを歴任した。全国の消滅可能性都市を予測した日本創成会議の「増田レポート」でも知られる。
今年1月には大分県が開いた「九州・四国広域交通ネットワークシンポジウム」に、佐藤樹一郎知事らと並んで登壇。豊予海峡ルート構想について「日本で最優先すべきプロジェクトの一つ」と強調していた。
構想実現には莫大(ばくだい)な事業費が必要になる。県が3月に公表した概算事業費は、約21キロの海峡部に片道1車線の海底トンネルを建設した場合で約9300億円に上る。
このため県は、公共事業に民間企業のノウハウや資金を活用する「PFI方式」を視野に検討を進める考え。調査費として内閣府の予算を確保しており、増田氏をリーダーに官民連携の方策を探る研究会を近く設ける方針だ。
長大トンネルの建設もハードルの一つ。県議会の特別委員会では「技術的な課題が想定される」としてさらなる検証を求める意見などが出ている。
佐藤知事は6日に愛媛県を訪れ、中村時広知事に研究会への参画を打診する見通し。両岸の関係強化を図る。