【動画】別府市ひき逃げ殺傷4年、県警が事件直前の映像公開 遺族「解決へ力を貸して」

八田容疑者が事件直前に車で現場に向かって走行する様子を捉えた防犯カメラ映像=2022年6月29日、別府市(県警提供)

 2022年に別府市で大学生2人が車にはねられた殺傷事件は、29日で発生から4年となる。八田與一(よいち)容疑者(29)=日出町=は殺人や道交法違反(ひき逃げ)などの疑いで重要指名手配されているものの、行方は分かっていない。県警は事件直前の容疑者の車が写った防犯カメラ映像を新たに公開した。遺族は「事件解決のために、いま一度、皆さんの力を貸してほしい」と情報提供を求めている。
 毎月の月初め。県警捜査1課の捜査員から前月の「情報提供数」がメールで届くという。有力な手がかりが見つかったとの話はなく、遺族たちは「進展はないのだろう」と受け止めている。
 有志で立ち上げた「事件の早期解決を願う会」は、インターネット上で独自に発信を続けている。
 フォロワーはインスタグラムが3900人に迫り、旧ツイッター「X」は6500人を超える。
 八田容疑者の身体特徴を示す多くの写真、映像を投稿してきた。膨大なフォロワーを持つ「インフルエンサー」が拡散するなどして、ネット番組やユーチューバーも事件を取り上げている。
 警察に届いた情報提供は1万3069件(今月25日時点)で、未解決事件では異例の多さだ。このうち8割は関東や近畿など県外から寄せられており、願う会は「八田容疑者は日本で一番有名な指名手配犯だと思う」と話す。
 23年9月に警察庁の「重要指名手配」となり、昨年6月には願う会が長く切望していた「殺人容疑」の逮捕状を県警が取った。
 公訴時効がなくなったのは大きな成果だが、事件解決はかなっていない。取材に応じた遺族は「事件が風化しないためにも、これから何をすればいいのか考え続けている」と心境を明かした。
 遺族の友人で、願う会事務局の女性(54)は「すぐに捕まると思っていたが、もう4年がたった。6月29日はみんなが八田容疑者の顔を思い出し、手がかりを捜す一日にしてほしい」と訴えた。
 事件に関する情報提供は別府署(0977-21-2131)。

■バイク追う容疑者の車、殺意持ち追跡か
 別府市のひき逃げ殺傷事件で、29日に県警が公開した映像は、事件直前に現場に向かう八田與一容疑者の車を捉えている。被害者のバイクを追うように走行しており、県警は殺意を持って追跡した可能性もあるとみて調べている。
 開示した映像は2点。けがを負った当時大学生の男性(24)がバイクで通過する様子と、約1分後に同じ方向に走る八田容疑者の白い軽乗用車がそれぞれ数秒ほど写っている。
 撮影された場所は、亡くなった男子大学生=当時(19)=と容疑者が事件前に口論になったという商業施設の近く。事件現場まで約350メートルのコインランドリーで、八田容疑者は映像の約1分後に、交差点で信号待ちをしていた2人のバイクに制限速度(40キロ)の2倍以上とみられる猛スピードで突っ込んだ。
 八田容疑者は事件後、スマートフォンと財布を車内に残し、現場から逃走した。約2キロ離れた同市北浜のヨットハーバーでは脱ぎ捨てられたTシャツが見つかっており、県警は海に逃げた可能性も視野に行方を追っている。
 映像に映っていた八田容疑者の軽乗用車と、被害者2人のバイクは現在、別府署に保管されている。軽乗用車は、前部が大破し、フロントガラスは内側にへこんで大きなひびが入っていた。追突された2台のバイクも衝撃で後輪が曲がり、事件の凄惨さを物語っていた。
 事件でけがをした男性は「バイクのミラー越しに、車が迫って来る瞬間を鮮明に覚えている。トラブルの数分後の犯行だった。相当な執念を感じるし、絶対に許せない。一刻も早く見つかってほしい」と憤った。
 県警の福岡弘毅刑事部長は「容疑者の身柄確保と、事件の全容解明は最重要課題。総力を挙げて取り組む」と話した。

<メモ>
 事件は2022年6月29日午後7時45分ごろ、別府市野口原の県道交差点で起きた。八田與一容疑者が乗っていたとみられる軽乗用車が信号停止中のバイク2台に追突。ミニバイクの男子大学生=当時(19)=が死亡し、オートバイの男性(24)が軽傷を負った。

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