【佐伯】かつて軍都と呼ばれ、戦争遺構が多く残る佐伯市で、これまで資料でしか確認できなかった旧佐伯海軍防備隊の送信所(同市蛇崎)の一部とみられる遺構が見つかった。今後の調査で跡地特定につながる可能性が高まった。
見つけたのは同市職員で民間歴史団体「歴進会」メンバーの原田和哉さん(27)。2年ほど前、1945年9月に同防備隊がまとめた引き渡し目録を目にし、送信所跡地を独自で探していた。
当時を知る地域住民への聞き取りや目録中にあった地図や当時の同防備隊の副長が残した日記などを参考に、大まかな場所を割り出した。今年5月、土地所有者の許可を得て、跡地と思われる場所の草を刈ったところ、遺構とみられる石とコンクリートを見つけた。
航空写真などから当時はコンクリート造りの建築物は少なく、原田さんは「送信所には入り口が3カ所あったことが分かっている。真ん中の入り口付近のものではないか」とみている。
今後の調査が待たれるところで、市教委社会教育課は「市が把握していない場所で、情報を知ることができたのはありがたい。戦争遺構の調査を進める際に活用できれば」とコメント。原田さんは「資料が少ない中、見つけられてとてもうれしい。戦時中の状況を学ぶ場所として活用できれば」と期待した。
<メモ>
佐伯海軍防備隊は1939年に開隊された。豊後水道の防衛を担う部隊で、送信所は他の海軍施設などとの通信に使われていたとみられる。