釣り人に愛され60年、大分市青崎「釣具の山下」21日で閉店 社長「全力で営業、悔いなし」

県道沿いに立地することで釣り人に重宝された「釣具の山下」=大分市青崎

 【大分】約60年にわたり、県内外の釣り人らに愛されてきた大分市青崎の「釣具の山下」が惜しまれながら21日に閉店する。山下和男社長(71)は「全力で営業してきた。半世紀以上続けられたことに悔いはない」と話している。
 1965年に山下さんの母親が、おもちゃや釣り餌などを扱う「山下商店」を坂ノ市中央に開店。釣り具業界の盛り上がりを知った母親が「専門店を始めよう」と山下さんに提案し、77年ごろ、前身の「山下釣具店」を始めた。当時は趣味としての釣りの人気が高まっており、店は好評を博した。
 その後、県道大在大分港線が開通。同市中心部方面から佐賀関の漁場に向かうアクセス道路ともなり、県道沿いの現在の場所に店を構え、「釣具の山下」と店名を改めた。営業時間は午前4時~午後9時で無休。早朝から釣りに出かける人たちが利用した。
 ただ、山下さん自身の年齢や釣り人が減少していることなどを考え、閉店を決意。5月に同店のインスタグラムで、店を閉めることを告知すると、客が殺到した。通常の商品に加え、店の飾りのパネルや置物、陳列に使用していたすのこ板、冷蔵庫などを買い求める客もいた。
 釣り歴40年という市内の秦サヨ子さん(79)は「子どもや孫が小さい時に、店で餌や道具を買って佐賀関までよく釣りに行った」。息子の和之さん(47)=会社員=は「店に集合して家族で釣りに行った。おかげで子どもも釣りを好きになった。やっぱり寂しい」と惜しんだ。
 山下社長は「閉店前に店を訪れてくれるお客さんが多く、ねぎらいの言葉に胸が熱くなった。これまで続けられたことに満足している」と話した。

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