映画「メモリィズ」坂西未郁監督と主演の柄本佑に聞く 「自然や人の温かさ魅力」「竹田の風土に助けられた」

映画「メモリィズ」について語った坂西未郁監督(左)と主演の柄本佑=竹田市役所

 竹田市を中心に撮影された映画「メモリィズ」の全国公開(12日)を前に、坂西未郁監督と主演の柄本佑が5月末、同市を訪れた。同市の魅力や映画に込めた思いを聞いた。

 ―柄本さんは湯布院映画祭にたびたび訪れている。
 柄本 湯布院には5歳から来ている。映画祭実行委員をやったし、昨年も参加した。大分は重要な場所。
 ―アメリカのトライベッカ映画祭に出品。
 坂西 自分も海外作品を見てきた。映画が「共通言語」ということがうれしい。
 ―なぜ竹田市を舞台に。
 坂西 各地の野焼きを見たが久住は特に壮大だった。東京で生まれ育った自分にとって、古里の印象が山間部の竹田にある。市内の景色を組み合わせればみんなの原風景になると思った。
 ―撮影地として同市の魅力は。
 坂西 雄大な自然、武家屋敷通り、田園、温泉街など異なる表情が一つの町にある。それに人の温かさとつながりを感じ、ここで撮りたいという時に協力してくれた。いろんな人に映画を見てもらい、恩返しできれば。
 ―けがをした義父を手伝おうと東京から九州を訪れた主人公を演じた。
 柄本 散歩するシーンなどがある中で、その土地の風や土、におい、ざわめきを吸収して反応するのが演じる上で大事だった。竹田の風土に助けられた。
 ―野焼きが重要なシーンで使われている。
 坂西 草原が焼けて黒くなり、新芽の緑から茶に変わり、赤く燃えて再び黒くなる様は四季を教える。そして1回しか撮れない。記録をテーマにする本作にこんなに適したものはない。
 ―観客に伝えたいこと。
 坂西 テーマは「記録と記憶」。スマートフォンやカメラで記録することが身近な時代で、小さな日常の営みを描いている。観客が自分の生活や撮った写真を見つめ直す機会になれば。
 柄本 宇宙で戦ったり、事件を解決したりする映画も面白いが、この作品は何げない日常を活写し、ささやかに物事が進んでいく。実はそれが大きいことでもある。こういう映画が生まれるのは必然だし、人が今、求めている部分もある。

 さかにし・みいく 1992年、東京都出身。京都造形芸術大(現・京都芸術大)卒業。製作した短編映画「すこしのあいだ」などで受賞歴がある。助監督やメイキングカメラマンなどを経験してきた。本作が初の長編映画監督作。

 えもと・たすく 1986年、東京都出身。「美しい夏キリシマ」(2003年)で映画主演デビュー。「きみの鳥はうたえる」「シン・仮面ライダー」などの映画や大河ドラマ「光る君へ」に出演。

<メモ>
 竹田市での撮影は昨年2、3月に城下町、長湯温泉、久住高原などであった。脚を骨折した義父(イッセー尾形)の世話をしようと、九州を訪れた主人公(柄本佑)が写真館を手伝いながら東京の妻(穂志もえか)、娘とスマートフォンで撮った映像を交わす―というストーリー。
 県内では大分市のTOHOシネマズ大分わさだ、シネマ5、中津市のセントラルシネマ三光で上映される(シネマ5は13日から)。

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