閉校する安心院3小学校、最後の1年間を映像記録に 福岡大教授の研究の一環「郷土愛育む一助に」

茶摘みを体験する児童たちを動画撮影する大久保久常さん(右端)=宇佐市安心院町

 【宇佐】本年度末で閉校となる宇佐市安心院町の3小学校の最後の1年間を映像に記録する取り組みが進んでいる。地域社会論を専門とする福岡大(福岡市)の辰己佳寿子経済学部教授による研究の一環。地元の産業を知る体験や伝統行事への参加など学校活動に密着し、映像は閉校式典で上映する予定。子どもたちが郷土愛を育む一助や、地域の絆をさらに深くするきっかけにしたいという。
 閉校するのは深見(児童数16人)、津房(同22人)、佐田(同14人)の3校。来年4月からは安心院小に統合される。
 辰己教授は以前から農泊で安心院町の住民と交流があり、今回の取り組みにつながった。地域の多くの人たちや行事が被写体となる映像制作を通じて、子どもや学校関係者、住民のコミュニケーションを深めるのが大きな目的。
 撮影・編集は元福岡大職員の大久保久常さん(66)=福岡市=が主に担当している。深見小を中心に来年3月までのさまざまな行事を追いかけてまとめ、各校の閉校式典で見てもらうことを想定している。
 今月7日は安心院町筌ノ口で毎年恒例の茶摘み体験会があり、深見、津房、佐田3校の4~6年生約30人が参加した。
 大久保さんは、住民に教わりながら新芽を熱心に摘み取る児童たちの様子を動画に収めた。「子ども目線で安心院の魅力を描くことを心がけている。映像で郷土愛が醸成されればうれしい」。人口減少は全国の地方に共通した課題。その実情を記録する意義も意識しながらカメラを向ける。
 児童たちは特別な思いで母校での最後の1年をスタートさせている。深見小4年の上原魁斗さん(10)は「学校がなくなるのは悲しいけど、みんなで思い出をつくっていきたい」。撮りためた映像は宝物にもなりそう。
 辰己教授は「地域のコミュニケーションがさらに密になれば、学校がなくなっても伝統文化やコミュニティーの存続につながるかもしれない」と話している。

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