大分市佐賀関の大規模火災は18日、発生から半年となった。家を失った被災者は仮住まいの市営住宅など、地域を離れて暮らしている。復旧・復興へと向かうフェーズの中、復興市営住宅の建設などを盛り込む復興計画の策定を通じ、市が地域の将来像をどう描くかが今後の焦点になる。
火災は2025年11月18日に発生。市は同12月4日に鎮火を宣言した。田中地区を中心に196棟が焼け、約130世帯が被災した。半島部分に加えて無人島の蔦(つた)島まで飛び火し、焼損面積は約6・4ヘクタールに及んだ。76歳の男性1人が死亡。女性1人が喉に軽いけがを負った。
12月26日に避難所が閉鎖され、現在は92世帯128人が市営住宅などで暮らす。市は定期的に住民が集う場「地域のきずな交流会」を定期開催したり、チームで各家庭を訪問したりして、コミュニティーの維持やアフターケアに努めている。
今年1月、被災した家屋を市が解体・撤去する「公費解体」が始まった。対象172棟のうち165棟分の申請が来ており、現在約2割を完了。11月末までに終わらせる予定だ。
復旧・復興を進める上で、所有者や境界が分からない土地の解消が課題になっていた。21~24年度に実施した地籍調査とその後の調べで76筆あったが、住民の情報提供や公費解体申請時の情報判明などで、現在は3筆まで減少している。
住宅の自力再建が難しい人を対象に、復興市営住宅の建設を計画。今年4月12日の被災者との第1回意見交換会で、田中運動公園のテニスコート跡地に集合住宅を建設する案を提示したが、被災者側から「以前のコミュニティーに近い形で地元に戻りたい」と戸建てを求める意見が出たため、いったん持ち帰った。今月24日の第2回意見交換会で、新たに方針を提示する予定にしている。
復興計画を8月までに策定する予定だったが、復興市営住宅の再検討に伴い9月にずれ込む見通し。住宅は27年12月の完成を目指している。
市生活再建支援・復興本部の武安高志事務局長は「地元との対話を重視しながら復興ビジョンを共有し、一日も早く住宅を完成させたい」と話した。