【Gateインパクト】地球さんご賞受賞作品⑰「水生昆虫という宝物」 吉田孝太(東京都大田区立大森第六中3年)2023年度 ふるさと賞

2023年度地球さんご賞・ふるさと賞に選ばれた吉田孝太さんの作品と挿絵

 「水生昆虫を守りたい。」「水生昆虫が身近にいてほしい。」「水生昆虫を知ってほしい。」これが私の願いだ。
 私は、多摩川(たまがわ)河川敷のすぐそばに住んでいて、小さい頃からいろいろな昆虫にふれてきた。まず興味を持ったのは、陸性のもの。セミから始まり、カブトムシ、クワガタムシ、バッタ、カンタン、カマキリ、コオロギ、トンボ、キリギリス、コガネムシ等々、名前を挙げればきりがないほどの数だ。そんな中、幼稚園の時のことだ。河川敷の水たまりで、とっても汚いのに、小さいながらも必死に生きている、変な生き物を見つけた。それを、ずっとずっと飼ってみたいなと思っていた。何者かわかったのは、図鑑を自分で調べられるようになった、小学生になってからのことだ。これが、私の水生昆虫との出合いである。水たまりにいた変な生き物は、ハイイロゲンゴロウというゲンゴロウの仲間の幼虫であった。母には、気持ち悪いと飼うことを拒まれたが、私にはとてもかっこよく見えた。
 この出合いが、今でも、私を水生昆虫の虜にさせている。しかし、ゲンゴロウ、タガメ、タイコウチ、ミズカマキリ、コオイムシといった水生昆虫たちは、田んぼやきれいな川や池に生息するため、田んぼは減りさらに農薬がまかれ、川や池は汚される等の理由で、住みかを奪われてしまった。水生昆虫は、絶滅危惧種は当たり前という風になり、今や珍しい昆虫となってしまっているのだ。
 でも全くいなくなってしまった訳でもない。ゲンゴロウ類でいえば、東京にもまだ、ハイイロゲンゴロウをはじめ、チビゲンゴロウ、ヒメゲンゴロウ、コシマゲンゴロウといった種類が見られる。しかし、コシマゲンゴロウは、かなり限られた所にしか見られない。私は、中学生になってから、コシマゲンゴロウの新産地を探し歩いてきた。守りたいし、彼らの住みかを増やし、住みやすくしてあげたいからだ。
 水たまりを覗いて見てください。人間が奪った自然環境のせいで、小さな水生昆虫が、水たまりで必死に生きようとしている姿に出合えるかもしれません。そっと覗いて見てください。守ってあげてください、小さな宝物を。

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