【大分】大分のローカル情報番組のキャスターなどを務めた川谷和也さん(74)=大分市西大道=が戦時の悲劇を脚本化し、戦後80年の節目に上演した舞台の台本とDVDを県内の中学高校や図書館などに寄贈する。「文化表現はより胸に迫ることができる。戦争を語り継ぐ資料としてほしい」と活用を呼びかけている。
川谷さんは大分や福岡のテレビ局、FM各局でキャスターやディレクターを長年務め、俳優や朗読・演劇の講師としても活躍。戦時の史実の取材をライフワークとして続ける。
舞台は、川谷さんが2008年から市内で主宰する文化サークル「表現塾」が昨年8月、いいちこ音の泉ホールで上演した「子どもたちへの鎮魂歌(レクイエム)」。多くの未来ある若者らが犠牲になりながら一般に広く知られていない三つの実話を基に書き下ろした。
第1幕は子ども784人を含む1484人が犠牲になった疎開船撃沈事件を群読や音楽、舞踊で伝える「沖縄・対馬丸からのメッセージ」。第2幕は終戦直後、ソ連軍の侵略から避難を促す電話交換手を演じる一人芝居「樺太・真岡郵便局集団自決」。第3幕の「大分・津久見保戸島の悲劇」は、亡くなった子どもの魂と今を生きる人が再会する幻想的な演劇となっている。
津久見樫の実少年少女合唱団や県ゆかりの舞台人ら約80人が出演。高い評価を受け、再演を望む声も多いという。製本した台本と舞台を収録したDVDを県内の中学高校、図書館などに配布する予定。今年3月末には津久見市の石川正史市長を訪れ手渡した。
川谷さんは「平和を語るには、戦争のむごさを深く知っておくべき。世界では今もたくさんの子どもたちの命が奪われている。体験者から託されたバトンを次世代に渡したい」と話している。
DVDは3300円で販売もしている。問い合わせは、かわたに事務所(097-576-7687)。