【Gateインパクト】九州高校野球大分県予選で優勝の上野丘、77年ぶり栄冠への道

優勝を喜ぶエース倉光(背番号1)ら上野丘の選手たち=別大興産スタジアム

 現校名になって初めて、九州地区高校野球大会県予選で頂点に立った上野丘。大分中、大分第一時代を含めて4回目の栄冠は、前回の優勝から実に77年ぶりの快挙となった。
 投手を軸にミスを減らし、失点を抑え、「負けない野球」(松田幸史監督)を貫いた。歴史を動かした立役者は、県予選5試合をほぼ1人で投げ抜いたエース左腕倉光俊輔(3年)。一方で、決勝でも見せたように打線の爆発力もある。
 圧巻は決勝の三回だった。2番打者・後藤恵多(2年)の左前打を皮切りに、5連続長短打で一挙3点。主砲の伊藤大泰(3年)は「つなぐという気持ちでバットを短く持ち、狙い球を強振できた。どんな相手も格上と思っているので、事前に対策を重ねて打てる球に絞るよう心がけた結果」と胸を張る。
 決勝を含め、初戦から走者が出ればバントを多用。得点圏に走者を進め、泥くさくても「1点」を狙った。聖心ウルスラ学園(宮崎)との九州地区大会初戦でも好球必打を心がけ、状況に応じた「最適解」を導き出したい。
 県内でも今春から採用された指名打者(DH)制は準決勝まで採用。いずれも倉光が先発投手兼打者を務める「大谷ルール」。決勝は倉光が降板後に再登板ができるようDHを使わなかった。「人数が少ない公立校にとって、現状ではこの形がベスト」と松田監督は柔軟な運用を続けるつもりだ。
 チームは3年前から髪型を自由にしており、「丸刈り」は少数派。高校野球でも多様性が求められる風潮にいち早く対応した。松田監督は「OBや後援会の理解を得て自由にしている。一方で『髪を伸ばしているから弱い』などと絶対に言われないよう、日頃から取り組んでいます」。

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 ここで、OBで県高校野球連盟理事長なども務めた若き日の河室聖司さん(現舞鶴高監督)が、大分県高校野球史(1989年発行)に寄せた文章を紹介したい。
 「文武両道。強いてどちらかに重きを置くならば、やっている本人たちは「武」なのである。進学校だからひ弱いだとか、下手だとか言われることに反発しながら猛練習をしたのは、進学校でもやればできるということを示したかったからだ」
 雨で試合開始が遅れると、ナインは一度学校に戻って勉強していた。春休み明けの実力考査は、いつもより準備が大変だったかもしれない。九州地区大会に集うのは強豪校ばかり。でも臆することはない。県代表として胸を張って戦い、「文武両道」と「やればできる」を体現する姿を、多くの県民が期待している。

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