【独自】サツマイモ「甘太くん」220トン出荷できず 大分県農協、貯蔵庫満杯で通路に仮置きし低温障害に

高糖度サツマイモ「甘太くん」=昨年11月、大分市

 高い糖度で人気のサツマイモ「甘太くん」の流通前の貯蔵段階で、県農協が適切な温度管理を怠り、約220トンに変色などの低温障害が出て出荷できなくなっていることが13日、同農協への取材で分かった。昨年は豊作で貯蔵庫がいっぱいになり、庫内の通路に仮置きしていたことが原因。県農協は対象となる臼杵市野津町の生産者39人に補償する方針だが、金額面などで折り合いがついていない。
 甘太くんはJA全農県本部のブランドサツマイモ。「べにはるか」を収穫後、貯蔵庫で40日以上熟成させて糖度を高めている。
 同農協南部営農経済センター野津事業所(臼杵市野津町)によると、サツマイモは低温に弱く、10度以下にならないよう貯蔵する。昨年は豊作で、町内2カ所の貯蔵庫が満杯に。市内や津久見市の貯蔵場所に移す予定だったが、運送手配が遅れ、12月初旬から中旬までの間、庫内の通路に仮置きした。
 その後、移送したが、今年2月の選果段階で、仮置き中に低温にさらしたことで、実の部分が黒くなったり、食味が落ちたりしていることが発覚。仮置きしたコンテナ約1万3千個分の出荷を取りやめた。
 同農協は3月中旬、対象農家に経緯を説明。補償する方針を示しているものの交渉は続いている。生産者からは「事態を把握してから補償までの対応が遅い」「収入がないので生活に支障が出ている。資金を借りる羽目になった」など農協への不信感や将来を不安視する声が上がる。
 同事業所は「消費者に食べてもらうために生産しているのに出荷できず、大変申し訳ない」。今後は、収穫見込み量を適正に把握し、貯蔵庫が満杯にならないように調整することや、余裕を持って配送手配をするなど、再発防止策を講じることにしている。
 「甘太くん」は同町や隣接する豊後大野市を中心に栽培。2024年度産は3918トンを出荷した。

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