【日田】芸術家の兄弟として知られる高見乾司(けんじ)さん(77)、剛さん(75)、八州洋(やすひろ)さん(69)が14日から18日まで、出身地の日田市で初めてとなる3人展「山を想う―里帰り」を開く。3人での作品展は、かつて全員が活動の拠点としていた由布市湯布院町で開催して以来、8年ぶり。兄弟は「それぞれの集大成を見てほしい」と呼びかけている。
長男の乾司さん=宮崎県西都市=は画家、次男の剛さん=由布市=は写真家、3男の八州洋さん=同=は竹工芸家。日田市北部の山林地主の家系に生まれた兄弟は「祖父の代で財産が尽き、暮らしぶりは貧しかった」と振り返る。
3人の芸術活動は湯布院町と関わりが深い。乾司さんが26歳の頃、父が経営する石切り場の作業で振動障害を患い、町内の病院で5年間、療養生活を送ったのが縁で、弟2人も暮らすようになったという。
乾司さんは創作の傍ら、1986年には由布院空想の森美術館の開館にも参画した。2005年からは西都市に移り、森の空想ミュージアム/九州民俗仮面美術館を設立。九州各地を訪ね歩いて神楽の絵を描き、民俗仮面の収集・研究もしている。
剛さんは湯布院や九重の自然、国東半島や英彦山(ひこさん)の峰入りを撮影。陸上自衛隊日出生台(ひじゅうだい)演習場での米軍による実弾射撃訓練も追い続ける。空想の森美術館(01年閉館、18年再開)の館長も務めている。
長兄の勧めで竹工芸を始めたという八州洋さんは、由布市に工房「竹聲(ちくせい)館」を構え、テーブルウェアやインテリア用品など多様なクラフト作品を制作している。
3人展は、18年5月に空想の森美術館で開いて以来となる。今回はパトリア日田を会場に、乾司さんは神楽の墨彩画や神楽面など約百点、剛さんは写真を約百点、八州洋さんは50点ほどを展示する。
「3人がそれぞれの分野で一定の成果を上げてきた。その集大成」と乾司さん。剛さんは「若い頃にお世話になった日田の人に見てもらいたい」、八州洋さんは「兄弟仲の悪かった父が、僕らには『仲良くしろよ』と言ってきた。3人展はその成果」と開催を楽しみにしている。
問い合わせは高見乾司さん(090-5319-4167)。