【臼杵】臼杵市大野のすみれこども園の神田寿恵園長(56)は2019年度から、卒園する園児の服を保護者から譲り受けてクマのぬいぐるみに仕立てて卒園式で渡している。今年も約2カ月かけて縫い上げたぬいぐるみを14日の式で卒園児30人に贈る。
取り組みは「保育の原点を教わった」と慕う玖珠町の先輩保育士が実践していた。2019年1月、先輩保育士が病で亡くなった。翌年から遺志を継ごうと始めた。
当時は国内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認され、園児らの生活にも影響が出ることが不安視され始めた時期。「子どもたちに何か形にして残したかったんだと思う」と振り返る。
ぬいぐるみは園児が生まれた時の産着や園服など、保護者の思い出が詰まった服で作る。材料を常に持ち歩き、移動の際の電車内でも作業を進める。
服の柄によって使用する部分を考え、綿を詰める。フェルト製の手のひらや足の裏を付け、目や鼻を縫い付けると完成。1体作るのに約4時間かかる。
コロナ禍も落ち着き、夫から「そろそろやめては」と声をかけられることもあるが、クマを受け取った子どもの笑顔が励み。
神田園長は「クマを見て楽しかった園生活を思い出してほしい。園がいつまでも子どものよりどころでありたい」と話した。