開会中の2026年第1回定例県議会で、県は議員の質問に対する全ての答弁のたたき台づくりに生成人工知能(AI)を使う運用を始めたことが4日、分かった。既に答弁作成に特化した民間サービスもあるが、職員が独自に指示(プロンプト)を設定して活用する。文面をゼロから作る業務の効率化や、最新技術を普段使いできる職員を増やして県庁全体の経験値を高める狙い。
2月24日に始まった定例会では県議からの質問通告を受け、若手を中心に課長補佐級以下の職員がたたき台づくりに活用している。
問いに関連した過去の答弁、県長期総合計画などのデータを生成AIに読み込ませると、質問に対する結論や背景、県の方針、具体策などの骨子が箇条書きで示される。職員が内容に間違いないかの確認を終えれば、数秒で文章形式の答弁案が表示される。
もちろん完成ではなく、県は答弁内容の議論、推敲(すいこう)を進める「出発点」と位置付けている。担当の部局で妥当性、正確性のチェックを重ね、議場で実際に答える幹部が最終的に確認して仕上げる。
県デジタル政策課は「寄せられた質問について、より詳しく調べて内容を詰めるなど議会に向き合う時間を増やせる」と利点を強調する。
県の取り組みについて、嶋幸一議長は「さまざま試行することはいいのではないか。議員側は住民に接する中で積み上げてきた、AIには生み出せない感性、想像力を生かした質問が求められる」と述べた。
全国的には多くの自治体で地域行事に出席する幹部らのあいさつ文作成や、政策立案のアイデア出しなどで生成AIが活用されている。県によると、議会答弁でも静岡県や宮崎県日向市、長崎県西海市で事例がある。
生成AIは利用の仕方によって、入力した情報が漏えいするリスクもある。大分県はAIが入力されたデータは外部に出さない設定などをしており、問題ないという。
県デジタル政策課は「もはや日常業務で使うワード、エクセルといったソフトと同じ扱いだ。持続可能な県政を実現するには当たり前の活用が不可欠」と述べた。