【由布】由布市湯布院町川上に県産食材などを使った創作料理を提供するレストラン「utu to so(ウツ ト ソー)」がある。店名は気分の低下や高揚を繰り返す「双極性障害」の症状の「鬱(うつ)と躁(そう)」から取っており、長年、この症状と向き合うオーナーシェフの杉山公一さん(43)が体調不良で急な休業もあることを理解してもらおうと名付けた。
白を基調にした約50平方メートルの空間に、カウンターとテーブル席の8席が並ぶ。メニューはなく、季節ごとに手に入る食材を5~8品のコースで提供。野菜を使った盛り合わせや、肉や魚のメインなどを丁寧に調理する。
杉山さんは、和食の店や宇都宮市内で父親が営むそば店などで働き、父親の引退を機に、妻の友里恵さん(38)と湯布院町に移住。2023年12月に開業した。「体調を崩したときに突然休業して迷惑をかけるかもしれない。勇気のいることだが店名で公表することにした」と公一さん。
20代の頃からうつ症状があり、頭が働かなくなり、動作が遅くなり、体も心もしんどくなる。年に4回ほど大きな気分の波が襲ってくるといい、この2年間で最長で約1カ月休業した。
好意的な反応が多く、病気について打ち明ける客もいて「伝えても大丈夫なんだと思えたし、楽になった。この状態と付き合っていくのも、個性だと今は考えています」と話す。
ゆっくりした時間を過ごす場所にしたいという杉山さん夫婦。日頃の忙しさを忘れ、多くの客が1時間半ほどかけて味わう。公一さんは「みんなに喜んでもらえることがうれしい。お礼の気持ちも込めて長く店を続けていきたい」と笑顔で話した。