「災 劇場版」胸にドロリと後味残す逸品

「災 劇場版」の一場面(ⓒWOWOW)

 災難に遭い命を終えてしまった人々と、その背後に存在する男の姿を描いたサイコサスペンス。
 横浜市の高校生、宮城県の旅館支配人、石川県の清掃員…。別々の地で暮らす彼らは心に苦しみを抱えながら必死で日々を過ごしていたが、ある「男」に出会った後に亡くなる。
 それぞれ自殺や事故死として扱われていたが、遺体には共通する特徴があった。刑事の翠は彼らの死に関連があるのではないかと考え、同僚と共に調べる。
 昨年、WOWOWで放送された同名ドラマを再編集。テレビでは一つの事件を1話で描いたのに対し、映画版は複数のエピソードを同時進行で描写。彼らが問題に直面し、立ち向かう姿が、同じタイミングで語られる。悲劇が立て続けに押し寄せる展開は、言葉を失うほど混乱させられる。
 特筆すべきは、香川照之が演じる「男」の存在感。親切な塾講師や人なつこいトラック運転手など、さまざまな姿で被害者に近づく。それぞれ外見や口調などは異なるが、怪しさが漂っている。彼らは別人か、同一人物か。捉え方次第でサスペンスやホラーに見えてくる。
 胸にドロリとした後味を残す逸品。ドラマの考察が好きな人にお薦めしたい。

 シネマ5で28日(土)~3月6日(金)の午後0時15分、同5時5分。28、1、4日は同7時35分も上映する。(この日程以外も上映あり)

 ◇ ◇ ◇

 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。

最新記事
大分県立美術館「ハローキティ展」の来場者3万人に 公式図録やぬいぐるみ贈呈
大分市出身のオペラ歌手渡辺弘樹、大分市で22日にコンサート イタリアデビュー30周年記念
大分県高校音楽コンクール、6部門に78人が出場
「トロフィー」在日コリアンの少女の日常と揺れ動く感情紡ぐ 大分市のシネマ5で15日から上映
大分県立図書館で「中学生・高校生のための古文書講座」 14人が取り扱い方や解読など学ぶ