佐賀関大火の被災者支援へ16日から美術品販売会 大分市の行野さん夫婦、収益を全額寄付へ

店内に飾っていた絵画や彫刻などを展示即売する行野睦子さん=大分市玉沢

 【大分】大分市佐賀関の大規模火災の被災者を支援しようと、同市玉沢の喫茶店「風じん雷じん」が16日から、同店で美術品の展示販売会を開く。店主の行野富男さん(75)と睦子さん(74)夫婦が長年かけて集めた有名画家らの版画や油絵約100点を購入時の半額以下で即売。収益の全額を寄付する。2人は「暮らしを立て直す一助になれば」と話している。22日まで。
 行野さん夫婦は、美術品の収集が趣味でコツコツと収集した作品を、店の壁や棚に飾っている。東日本大震災の際にはオークション形式で販売し、約800万円を寄付した。大分・熊本地震でも被災者を支援した。
 今回も、大規模火災の報に触れ、コレクションを手放そうと決断した。「火災で全てを失った人がいる。そう思えば迷いはなかった」と富男さん。睦子さんも「私たちはもう十分楽しませてもらった。大好きな作品を大切にしてくれる人のもとへ渡ればうれしい」とほほ笑む。
 出品するのは梅原龍三郎、中川一政、藤田嗣治、宇治山哲平、パウル・クレーらの版画や油絵、彫刻など。価格は千~15万円。
 夫婦には重度の障害のある長男がおり、長男が施設に通う時間を利用して2000年に喫茶店を始めた。いつも多くの人に支えられてきたという思いがあり、恩返しのつもりで大規模災害の被災者を支援し続けているという。
 店には地域の人が集い、中には悩みを抱えて訪れる人もいる。温かい料理を囲むうち、張り詰めていた表情が和らぐ場面を何度も見てきた。「被災者にもまずは日々の暮らしを取り戻してほしい」と睦子さん。
 会期中は店の売り上げも全額寄付に充てる。「作品を買わなくても、お茶を飲むだけで支援につながるので気軽に訪れてほしい」と呼びかけている。営業時間は午前11半~午後5時。

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