女性ジャーナリストが自身の性被害を題材にしたドキュメンタリー。事件の真相を探し、加害男性との民事裁判に臨む姿を描いた。
2015年、伊藤詩織さんは当時、テレビ局記者だった男性から性的暴行を受ける。男性の逮捕状が出されるが、警察上層部の指示で執行されない。刑事事件としては不起訴処分相当という形で幕を下ろす。
その後、被害を受けたことを実名で公表。相手男性に損害賠償を求める裁判を起こすが…。
伊藤さんは事件を調べ上げ、仲間との語らいでは笑うことも。タフな人物に見える一方、加害者の写真を見るだけでパニックを起こすなど深く苦しみ続ける。
世間からは「ハニートラップじゃないか」「被害者らしい服装をしていない」という誹謗(ひぼう)中傷が寄せられる。協力者に対しても影響が及ぶのではないかという思いが頭をよぎる。時折見せる虚無感に満ちた瞳が象徴的に映る。
事件関係者とのやりとりを交えながら構成。許諾のない映像や音声が使われていたことが指摘されており、日本では修正を加えたバージョンが公開される。
問題があったことを差し引いても、被害者の心の内を当事者視点で知ることができる貴重な一作。その重みは途方もない。
シネマ5で21日(土)~27日(金)の午後0時20分。21、26日は同7時半からも上映する(この日程以外にも上映あり)。
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「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。