【中津】福沢諭吉ゆかりの経済学者で国内有数の浮世絵コレクターとして知られる高橋誠一郎(1884~1982年)と、その収集品を紹介する企画展「高橋誠一郎と浮世絵~コレクターのまなざし」が中津市歴史博物館で開かれている。市の「学びの里なかつ推進プロジェクト」の一環。23日まで。
新潟県出身の高橋は慶応義塾で諭吉の薫陶を受け、福沢家とも交流。卒業後は経済学部教授や塾長代理となり、70年以上、教壇に立った。芸術にも造詣が深く、精力的に浮世絵を収集。東京国立博物館長や文化財保護委員会委員長、文部大臣などを歴任し、日本の文化芸術の振興に貢献した。
高橋コレクションと呼ばれる収集品は千点以上あり現在、ほとんどが慶応義塾の所蔵。今展には江戸前期から大正期までの浮世絵32点と、高橋の著作「浮世絵二百五十年」の原稿や書簡など6点が展示されている。
美人画や役者画、現代風の「新版画」など時事や世相、流行を取り入れたさまざまな浮世絵を並べ、初期の墨刷り絵、多色刷りの錦絵、一点物の肉筆画なども。菱川師宣、鈴木春信、歌川国貞ら高名な浮世絵師の作品がそろい、葛飾北斎「富嶽三十六景 凱風快晴」、3枚続きの歌川広重「江戸名所四季の眺 隅田川雪中の図」といった高橋の視点で選ばれたコレクションを楽しめる。
学芸員の工藤舞子さんは「浮世絵の魅力を存分に楽しめ、コレクター高橋の姿にも触れることができる」と来場を呼びかけている。
月曜(祝日の場合は翌日)休館。観覧料は一般300円、中学生以下無料。11日午後2時からギャラリートークがある。問い合わせは市歴史博物館(0979-23-8615)。