【大分】高校生がオリジナル商品を作って販売する「高校生模擬起業グランプリ」で、岩田高(大分市岩田町)の生徒3人が最高賞のグランプリを獲得した。訪日客に大分県の魅力を広めるため、スマートフォンをかざすと県内の観光スポットをデジタル空間で体験できるチップ内蔵のカードを作った。「目標のグランプリを頂けてうれしい。大変だったけど達成感がある」と喜んでいる。
メンバーは3年の室ほのかさん(18)と丸尾和泉さん(18)、2年のグエン・タン・アンビンさん(16)。海地獄(別府市)や金鱗湖(由布市湯布院町)など9カ所の動画を360度さまざまな角度から撮影し、デジタル素材としてデータ化。県内企業の手を借りながらカードを完成させた。
3人には大分の観光を盛り上げたいという共通の思いがあり、「旅行の思い出は写真で振り返ることが多い。3Dにすることで、体験としてもう一度思い出すことができるのではないか」と考えたという。
商品は昨年秋、別府、湯布院の観光地や駅などで販売。ベトナム出身で多言語を話せるアンビンさんを中心に、授業で培った語学力を生かして外国人客に声かけをした。1枚千円のカードを約1カ月で684枚売り、売上額は大会史上最高で利益率も6割を超えた。
経理と広報、マーケティングを担当した丸尾さんは、当初ビジネスに関心がなかったという。活動を通して「目の前の商品一つ一つに、多くの人の思いが込められていることに気付いた。物を見る目とビジネスへの考え方が変わった」と振り返る。
「社長」を務めた室さんは、大学在学中に会社の設立を目指す。「起業は人とのつながりこそが軸だと学んだ。将来は海外と日本をつなぐ会社をつくりたい」と話した。
大会はビジネスの楽しさや厳しさを高校生に学んでもらおうと、認定NPO法人金融知力普及協会(東京都中央区)が2020年度から毎年開いている。25年度は全国84校が参加した。