「安楽死特区」命のあり方、問いかけてくる

「安楽死特区」の一場面(ⓒ「安楽死特区」製作委員会)

 安楽死法案が可決した未来の日本を舞台としたドラマ。
 国は終末期医療の解決策として安楽死を法制化。「ヒトリシズカ」という施設を生み出す。ここは病気により耐え難い苦痛を感じている人々が身を寄せる。医師と相談の上、人生に幕を下ろすための場所だ。
 余命半年の宣告を受けたラッパー章太郎(毎熊克哉)が入居する。彼は制度について否定的な考えを持ち、死を望んでいるわけではなかった。パートナーのジャーナリスト歩(大西礼芳)と共に施設に潜入し、その実態を世間に告発しようと考えていたのだが…。
 医師の長尾和宏の小説を、「痛くない死に方」「『桐島です』」の高橋伴明監督が映画化。
 末期がんの苦しみから一刻も早く解放されたいと望む池田(平田満)や、認知症を患い、記憶を失う前に人生を終わらせてほしいと願う元芸人の沢井(余貴美子)―。「ヒトリシズカ」の入所者は死を希望のように捉えている。「生きて」と励ますことは患者に寄り添った行為なのか。見る人の心を揺り動かす。
 安楽死は、欧州で法制化をする国が増える一方、現在の日本では罪に問われる。物語は是非を断じるのではなく、命のあり方について問いかけてくる。

 シネマ5bisで31日(土)~2月6日(金)の午前10時、午後5時半。

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 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。

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