「おくびょう鳥が歌うほうへ」厳しい大自然の中、再生の物語

「おくびょう鳥が歌うほうへ」の一場面(ⓒ2024 The Outrun Film Ltd., WeydemannBros. Film GmbH, British Broadcasting Corporation and StudioCanal Film GmbH. All Rights Reserved.)

 アルコール依存症に苦しんできた女性が、厳しい大自然の中で暮らし、変化する様子を描いたドラマ。
 主人公ロナは10年ぶりに故郷のスコットランド・オークニー諸島に戻ってくる。希少なウズラクイナの生息数を調べる仕事に就いた彼女の脳裏に浮かぶのは、ロンドンで酒にのまれ、恋人を傷つけていた日々の記憶だった…。
 酩酊(めいてい)状態で身も心もボロボロになり、断酒会の厳しいプログラムを受け、そして現在―。主人公が歩んだ苦難の道を時系列バラバラに映し出しているのが特徴的だ。どんなに禁酒しても、順調に回復せず、元に戻るのではないかという不安感を表現しているように感じる。
 依存症の回復には近道がなく、一日一日酒を断ち続けることしか道はない。自分の内面と向き合うだけでは、不安に押しつぶされてしまう。吹きすさぶ寒風や、雄大な海を前に、彼女にどのような変化が訪れたのか。地に足の着いた再生物語が心にしみる。
 原作は世界的ベストセラーとなったエイミー・リプトロットの回想録「THE OUTRUN(ジ・アウトラン)」。

 シネマ5bisで24日(土)~30日(金)の午後0時20分、同5時40分(この日程以外も上映あり)。

 ◇ ◇ ◇

 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。

最新記事
朱竹新年短歌大会、最優秀賞に大分市の津野律余さん
19日から公募アマチュア絵画展の巡回ロビー展 豊和銀行5支店とプラザ店で14点展示
ピアコンとピアラ国際ピアノコンクールの大分地区予選
大分市で3月7日、東京芸術大学生の弦楽四重奏団コンサート
映画「星と月は天の穴」 枯れかけた40代男性の私的文学的な物語