【大分】大分市在住の後藤坦子(ひろこ)さん(93)による自伝「馬鈴薯(じゃがいも)の花」(婦人之友社・1980円)が出版された。朝鮮半島からの引き揚げ経験やその後の暮らしぶりに加え、本紙「立ちばなし」に投稿してきた作品も入れた。たくましく生き抜いてきた人生と、激動した時代の移ろいを感じることができる一冊となっている。
自伝は生まれ故郷である同半島北部の小さな町での生活や、過酷だった日本への引き揚げのほか、再出発した同市での子育て、孫や友人との交流などが率直な筆致でつづられている。
立ちばなしは、1970年1月の「たこ揚げ」から、2014年8月の「宿題」まで計35作品や未掲載分も紹介している。
一人娘の伹馬育子さん(59)によると、後藤さんは若い頃から日々の文章を書きためており、本にしたいと考えていたという。現在、グループホームに入所している母親の思いをくみ、伹馬さんが昨年12月から制作に取りかかり、書籍化にこぎ着けた。
優しいタッチの装画と挿絵を伹馬さんの次男浩介さん(29)と長女和奏さん(26)がつけている。
伹馬さんは実家を片づけていた際に後藤さんのノートを初めて読んだと明かし、「本にすることで母の頑張ってきた人生が分かった。形にして手渡すことができてよかった」と話している。
婦人之友社のホームページやアマゾンなどオンラインストアで取り扱っている、問い合わせは(jagaimonohamah@gmail.com)