【臼杵】臼杵市は人口減少が顕著な市内野津町の定住促進策として、町内吉田に若者世帯向けの住宅用地を造成している。造成地は近くに野津中やスーパー、多世代交流館「のつてらす」があり、市は「子育て世代にとって好立地」と期待を込める。
市は子育て世帯などを対象とした用地分譲に関する条例制定案と、造成地での新築助成金として限度額3600万円の債務負担行為(2026年度)を設定した本年度一般会計補正予算案を開会中の市議会12月定例会に提案。可決されれば来年2月から購入者を募集する。
市は05年に旧臼杵市と旧野津町が合併し、誕生した。市によると、15年度から10年間の市全体の人口減少率は15・1%に対し、野津町の減少率は21・2%だった。昨年度の出生数も市全体の136人のうち同町は8人にとどまった。市は人口減少に歯止めをかけるため、21年度に市有地の造成計画をつくった。
条例案では▽夫婦いずれかが満40歳以下▽満15歳までの子どもを扶養する子育て世帯などが分譲の対象としている。家族構成によって従来の助成金に加え、1世帯最大300万円を助成する。
多様化する住宅ニーズに合うよう231・74~400・54平方メートル(224万~361万円)の計12区画を準備。応募多数の場合は抽選で決める。12区画の販売状況などをみて、第2期計画を検討する。
市が移住者を対象にしたアンケートでは、同町は有機農業が盛んで豊かな食や自然、人情深い地域で子育てしたいという世帯に人気という。
西岡隆市長は「移住定住策の目玉。若い世代が多く住む野津町になってほしい」と話した。