「現代語訳 美味求真」(傍流堂・7700円)が刊行された。宇佐市出身の政治家・随筆家であり、美食文化の先駆者として知られた木下謙次郎(1869~1947年)による随筆を、県出身の実業家河田容英(やすひで)さんが現代語に再編集した。伝説的ベストセラーに光を当て、「食」の意味を改めて問いかけている。
木下は1925年、長年にわたる食研究の集大成として随筆「美味求真」を発表した。100年前とは思えない食文化に対する微細で深く鋭い考察がなされ、古今東西の食材・調理法などを縦横無尽に論じて「美味とは何か」という根源的な問いに迫っている。
当時は話題をさらったものの、文語体文章は理解しづらく、徐々に読まれる機会がなくなっていた。河田さんは自身が理解を深めるために、2016年から現代語訳に取り組み始めた。内容に感銘した傍流堂により、出版が決まった。生物学者の福岡伸一さんが序文を寄せている。
全国の書店とネット書店、傍流堂で取り扱っている。