一匹のペンギンによって癒やされていく人々を描いたドラマ。世界的ベストセラーのトム・ミッシェルの回顧録を映像化した。
舞台は1976年のアルゼンチン。英国人トムは富裕層の子どもたちが通う寄宿学校で、英語教師として働くことになる。問題児ばかりが集められたクラスを担当するが、生徒たちに深く関わろうとせず、平穏無事に日々を送ろうとする。
この頃、軍事クーデターが発生し、学校は休校に。トムは騒乱どこ吹く風とばかりに、同僚と隣国ウルグアイに脱出し、羽を伸ばす。そこで重油にまみれ、海岸に打ち上げられたペンギンと出会う。トムは一時的に世話をした後、海へ帰そうとするが、離れる気配はない。仕方なく、アルゼンチンまで連れ帰る…。
主人公の相棒とも言えるペンギン「サルバトール」の愛らしさが印象的。トムの後ろをトコトコと歩き、相手の話にじっと耳を傾ける。その姿のとりこになった人々は、古い友人に接するように人生の不安を語り、癒やされていく。サルバトールは2匹のマゼランペンギンが「演じ」た。
当時のアルゼンチン情勢を押さえておくとより深く楽しめる。軍事政権は、左翼狩りと称して活動家や知識層だけでなく一般市民まで逮捕し、人権侵害を加えた。言いたいことが言えない時代だったということも頭に入れておきたい。
シネマ5で20日(土)~26日(金)の午後0時55分、同5時20分。
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