【大分】世代を超えて一緒に踊ることで健康を目指そうと、楊志館高(大分市桜ケ丘)の生徒有志が「ヲタ芸」を取り入れたリハビリダンスを考案した。子ども食堂や高齢者施設で披露したところ大好評。生徒は「ダンスをはやらせたい」と意気込んでいる。
ヲタ芸は、アイドルのライブなどでファンがそろって踊ったりかけ声を出したりする動きのこと。棒状のライト「サイリウム」を持って踊るのが特徴だ。
リハビリダンスを考えたのはボランティア活動に取り組む「徳育宣隊」の生徒。施設訪問などの活動を続ける中で、老若男女が一緒になって楽しめるレクリエーションを作ろうというアイデアが持ち上がり、1年生が中心となって動き始めた。
若い世代に受けそうなヲタ芸に着目。曲は広く知られる「マツケンサンバII」を選んだ。詳しい卒業生にアドバイスをもらいながら振り付けし、ラジオ体操の動きも取り入れた。動画を見ながら練習を積み、独特のダイナミックな動きを習得した。
完成したダンスを披露すると、子どもたちは激しい動きに大盛り上がり。高齢者には座ったままでも踊れるところが好評で、口コミで施設の訪問依頼が増えているという。
1年工藤愛結(あゆ)さん(16)は「子どもと一緒に踊ることで要介護状態のお年寄りを減らしたい。県内だけでなく県外にもダンスを広げたい」と夢を描いている。
■ボランティア活動で総理大臣表彰
【東京支社】国の本年度「未来をつくる こどもまんなかアワード」の子ども・若者部門で、楊志館高のボランティアグループ「徳育宣隊」が最優秀の内閣総理大臣表彰に選ばれた。地域の清掃活動への参加から始まり、子ども食堂でのイベント企画や高齢者施設でのボランティアなど、多彩な活動を続けていることが評価された。
表彰式が11月末、東京都千代田区のこども家庭庁であった。黄川田仁志内閣府特命担当相が「さらなる活躍を期待します」とあいさつ。3年の小野栞莉(しおり)さんが表彰状を受け取り「まだまだやれることはあるので、活動を広げていきたい」と喜びを語った。
アワードは2023年度に創設。子どもの利益を第一に考える「こどもまんなか社会」の実現に向け、社会貢献活動などに取り組む個人や団体をたたえている。