25日午後6時1分ごろ、熊本県阿蘇地方を震源とする地震があり、同県産山村で最大震度5強を観測した。大分県内では竹田市で震度5弱を記録した。県によると午後7時半時点で、県内で目立った被害は確認されていない。
気象庁によると、震源の深さは約10キロ、地震の規模はマグニチュード5・8と推定される。熊本、大分両県を含む16県で震度1以上を観測した。その後も阿蘇地方を震源とする地震が続き、午後9時59分ごろには竹田市や熊本県で最大震度4の地震があった。
福岡管区気象台は「揺れの強かった地域では落石や崖崩れに注意してほしい」と呼びかけている。2016年の熊本・大分地震のように後から規模の大きい地震が起こる可能性もあるとして備えを促している。
午後6時1分ごろの地震で大分県内のその他の震度は次の通り。
▽震度3=大分市、日田市、佐伯市、臼杵市、津久見市、豊後大野市、由布市、九重町、玖珠町▽震度2=別府市、中津市、宇佐市、日出町▽震度1=豊後高田市、杵築市、国東市、姫島村
■市道が陥没、通行止めに
震度5弱を観測した竹田市では、市が災害警戒本部を設置して情報収集と警戒に当たった。市によると、同市志土知の市道志土知久保線で、落石によるものとみられる陥没が見つかり、午後8時から現場を通行止めにした。
同市荻町馬場の農林業白石健一さん(74)は「大きい波が来たようにぐらぐらと揺れた。2016年の熊本・大分地震を思い出した」と語った。
26日には竹田市の水利施設の世界かんがい施設遺産登録を記念する式典が予定されていたが、市などでつくる実行委員会は中止を決めた。