核兵器や放射線の恐ろしさ「若者に語り継ぐことが使命」 長崎の被爆者・三田村さんが日田で講演会

被爆体験を語る三田村静子さん=日田市大山町西大山の大山文化センター

 【日田】長崎市で紙芝居を使って被爆体験の語り部をしている三田村静子さん(83)の講演会が9日、日田市大山町の大山文化センターであった。日本原水爆被害者団体協議会のノーベル賞受賞を記念し、市民でつくる実行委員会(橋本雅文代表)が開いた。
 市内外から約160人が参加。三田村さんは3歳のころ、爆心地から4キロの自宅で被爆。「姉妹で早めの昼食を取っていた時、ピカッと何かが光り、強い衝撃を感じた」と振り返り、戦後、姉たちから聞いて描いた街の惨状や受診時の様子をスライドで伝えた。
 被爆後、下痢や発熱に苦しんだが、それ以上に長年、がんの病魔に家族が苦しめられ、姉や娘を亡くして自身も手術で一命を取り留めてきた経緯を紹介。「核兵器や放射線の恐ろしさを特に若い人に語り継ぎ、核廃絶を訴えることが私の使命」と述べた。
 長崎県の高校生平和大使を務めた山西咲和さん(24)=東京=の講話もあり、被爆3世として、祖母から聞いた体験談や世代に応じた平和教育の必要性を語った。

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